酵素ドリンクOEMの基礎知識|製造フローを徹底解説
酵素ドリンクの健康効果に対する関心が高まる中、多くの企業がOEMによる市場参入を検討しています。しかし、酵素ドリンクの製造プロセスは複雑で、品質管理から法規制までさまざまな要素を理解する必要があります。本記事では、酵素ドリンクOEMの基礎知識から製造フローまで、実践的な情報を詳しく解説します。
目次
酵素ドリンクとは何か?基礎知識
酵素ドリンクの定義と特徴
酵素ドリンクとは、生の野菜や果物を酵母・細菌などの微生物が持つ酵素の働きで発酵させた飲み物です。植物発酵エキスや植物発酵飲料とも呼ばれ、発酵過程で多種多様な栄養成分が生成されることが特徴です。市場規模は拡大傾向にあり、国内の酵素・酵母食品市場は約500億円前後とされています。ファスティング(断食)や置き換えダイエットの商品として人気を博し、健康志向の高まりとともに需要が増加しています。
主な原材料と健康効果
酵素ドリンクの主な原材料は、果物、野菜、穀類、海藻などの自然素材です。
発酵過程において、これらの植物由来の酵素が活用され、ビタミン、ミネラル、アミノ酸などの栄養成分が豊富に含まれるようになります。
発酵食品としての特性により、消化吸収を助ける働きが期待され、腸内環境を整える乳酸菌なども含まれることがあります。
ただし、酵素ドリンクは発酵エキス飲料であるため、酵素を直接補給するものではなく、既に発酵された食物の栄養素を摂取する飲料として理解することが重要です。
OEM製造とは?メリットと注意点
OEM製造の基本概念
OEM(Original Equipment Manufacturing)製造とは、製造業者が委託者のブランド名で製品を製造する方式です。酵素ドリンクのOEMでは、専門メーカーが持つ製造技術、設備、ノウハウを活用して、委託者のオリジナル商品を製造します。この方式により、自社で製造設備を保有しない企業でも、高品質な酵素ドリンクを市場に投入できます。
自社開発との違いとメリット
自社開発と比較したOEM製造の主なメリットは以下の通りです。
初期投資の大幅削減
製造設備や研究開発施設を自社で構築する必要がありません。
技術力と経験の活用
実績豊富な専門メーカーと提携することで、短期間での商品化が可能になります。
小ロット対応
リスクを最小限に抑えながら市場テストが実施できます。
契約時の注意点とトラブル回避ポイント
OEM契約時には、品質基準の明確化、製造責任の範囲、知的財産権の取り扱いなどを詳細に定める必要があります。特に酵素ドリンクは発酵食品のため、品質管理基準やHACCP認証の取得状況を確認することが重要です。
薬機法や景品表示法の遵守も必須で、過去には2019年3月29日に消費者庁が「酵素等の成分の作用による痩身効果」を標榜した5社に対し、景品表示法違反(優良誤認)で一斉に措置命令を出した事例があります。この際、「約3カ月で-12.7kg」などの科学的根拠のない誇大広告は禁止されています。
酵素ドリンクOEMの製造フロー全体像
企画・レシピ設計フェーズ
製造フローの第一段階では、市場ニーズの分析と商品コンセプトの策定を行います。
OEMメーカーの研究員が専門知識を活用し、ターゲット層に適した配合を提案。原材料の選定では、多いメーカーで128種類の素材を使用可能で、果物、野菜、穀類、海藻、微生物発酵液など多様な組み合わせが検討されます。この段階で味、栄養成分、コストのバランスを最適化します。
原材料調達と品質検査
原材料調達では、国産素材を中心とした高品質な原料の確保が重要です。
各原材料について、農薬残留検査、重金属検査、微生物検査などを実施し、安全性を確認します。発酵度合いや成分濃度の管理も品質管理の要となります。
発酵・抽出プロセス
酵素ドリンクの核心となる発酵工程では、微生物の働きを最大化する湿式製法などの専門技術が用いられます。発酵期間や温度管理により、酵素活性や有用微生物の状態を最適に保ちます。従来の一般的な清涼飲料水製造では、食品衛生法に基づく加熱殺菌工程(パスチャリゼーション)により生菌がほぼ死滅してしまいますが、液体酵素製造技術を活用することで、酵素と有用微生物の効力を温存する製法が採用されています。
充填・殺菌・パッケージング工程
発酵・抽出が完了した液体は、瓶やアルミパウチ、ペットボトルなどの容器に充填されます。
食品衛生法に基づく殺菌基準に従い、pHと水分活性に応じた加熱殺菌処理を実施。パッケージングでは、ラベルデザインや商品仕様に応じた包装を行い、最終製品として完成させます。
品質管理(QC)と最終検査
製造工程全体を通じて、HACCP認証に基づく品質管理を実施。
最終検査では、成分分析、微生物検査、官能検査などを行い、規格基準への適合を確認します。ロット管理により製造履歴の追跡が可能な体制を構築し、万一の問題発生時にも迅速に対応できる体制を整えます。
OEMメーカーの選び方と比較ポイント
生産能力・設備の確認方法
OEMメーカー選定時には、月間生産可能数量、最小ロット数、生産設備の規模を確認します。
小ロット対応では最小12本から製造可能なメーカーもあり、初期投資を抑えたい企業には重要な要素です。事業成長に応じた増産対応の可否もチェックしましょう。
衛生管理体制と取得認証(HACCP/ISOなど)
HACCP認証の取得状況は必須確認項目です。
原材料の入荷から製品出荷まで全工程で食中毒や異物混入等の危害要因を管理する体制が整っているかを評価します。ISO認証など他の品質管理認証も、メーカーの信頼性を判断する指標となります。
コスト構造と見積もり比較のコツ
製造コストには、原材料費、製造費、包装費、検査費などが含まれます。見積もり比較では総合的なコストパフォーマンスを評価し、品質レベルとのバランスを考慮。隠れたコストとして試作費用、金型費用、認証取得費用も確認し、総投資額を正確に把握しましょう。
納期管理と小ロット対応の可否
標準的なリードタイムは企画から製品完成まで2~3ヶ月程度ですが、メーカーによって異なります。小ロット対応の可否や最小注文数量、緊急対応の可否も確認し、安定した供給体制を構築できるパートナーを選びましょう。
酵素ドリンクOEM導入の費用とスケジュール目安
初期費用の内訳(試作・金型・認証など)
酵素ドリンクOEMの初期費用には、試作開発費、容器金型費、ラベルデザイン費、各種認証取得費が含まれます。試作段階では複数のレシピテストが必要で、1回あたり数万円~十数万円の費用が発生。オリジナル容器の場合は金型費用が数十万円~数百万円となるため、既存容器の活用でコストを削減できます。
標準的なリードタイムとマイルストーン
酵素ドリンクOEMの標準的なスケジュールは以下の通りです。
企画・レシピ開発フェーズ(4~6週間):市場調査、コンセプト設計、試作品開発
原材料調達・製造準備フェーズ(3~4週間):原料確保、製造ライン調整、品質検査体制の準備
製造・品質管理フェーズ(2~3週間):実製造、各種検査、最終品質確認
パッケージング・出荷準備フェーズ(1~2週間):包装、出荷手配
コストダウンのための交渉術
コストダウンには、ロット数の増加による単価削減、既存容器の活用、シンプルなラベルデザインの採用が有効です。複数商品の同時発注や長期契約による価格優遇、原材料の共通化、製造工程の効率化など、メーカーと協力してコスト削減を図りましょう。
OEM契約後のフォローアップと改善サイクル
定期的な品質チェックと製品改良提案
OEM契約後も継続的な品質管理が重要です。
定期的なサンプル検査、顧客フィードバック収集、市場動向分析を通じて、製品品質の維持・向上を図ります。OEMメーカーからの改良提案も積極的に取り入れ、競争力を維持しましょう。
クレーム対応とリコール対策
万一の品質問題やクレーム発生時には、迅速な原因究明と対策実施が求められます。製造履歴の追跡体制、回収手順の整備、顧客対応体制の構築を事前に準備しましょう。リコール保険の加入や法的責任分担も契約時に明確化しておくと安心です。
市場フィードバックを活かしたレシピ改良
市場からのフィードバックを収集・分析し、味の改良、新成分の追加、パッケージ改善などに反映させます。消費者の好みや健康ニーズの変化に対応した商品改良で、長期的な競争優位性を確保。季節限定商品や機能性強化の新バリエーション開発も検討しましょう。
まとめ
酵素ドリンクOEMを成功させるには、適切なパートナー選定と綿密な計画が不可欠です。
製造フローの理解、品質管理体制の確認、コスト構造の把握を通じて、市場競争力の高い商品を開発できます。HACCP認証を取得した信頼できるメーカーと連携し、安全で高品質な酵素ドリンクを製造。
適正な広告表現と継続的な品質改善で、長期的な事業成功を実現しましょう。
TKオーガニック株式会社では、様々な製品の企画開発・OEM・ODMを行なっております。
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群馬県高崎市にある受託製造を手掛ける企業。
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