TKオーガニック株式会社
コラム COLUMN
2025.05.02

OEMの仕組みと製造までの流れをわかりやすく解説

更新日:2025.06.23

ビジネスの世界でよく耳にする「OEM」。
製造業やブランドビジネスに関わる方なら一度は耳にしたことがあるでしょう。OEMは現代ビジネスにおいて重要な役割を担っており、多くの企業が商品開発や製造に活用しています。しかし、具体的な仕組みや製造までの流れを詳細に理解している方は意外と少ないかもしれません。

本記事では、OEMの基本概念から製造プロセス、メリット・デメリット、活用に適したビジネスケースまで、わかりやすく解説します。

OEMとは?その基本的な意味と特徴

OEMの定義と他の方式との違い

OEMは「Original Equipment Manufacturer」の略で、日本語では「相手先ブランド製造」と呼ばれます。企画・設計を行う発注者が、専門の製造業者に製造を委託し、完成品を自社ブランドで販売します。

似た方式として ODM(Original Design Manufacturer)があります。ODMでは製造業者が企画・設計から担い、OEMより製造者の関与が深いのが特徴です。さらに、OBM(Original Brand Manufacturer)は、製造者自身が自社ブランドで商品を製造・販売する方式です。これらの違いを理解することでOEMの特徴が明確になります。

OEMが注目される理由と市場背景

グローバル化により企業はコア事業に集中し、非コア領域を外部に委託する傾向が強まっています。製造設備や人材への投資コスト削減と、企画・マーケティングへの資源集中が可能になる点は大きな魅力です。

また、消費者ニーズの多様化によって、小ロット・短期間での商品開発が求められるようになりました。専門技術と設備を持つ製造業者との協業により、高品質な商品を効率的に市場投入できます。

OEMの仕組みを理解しよう

依頼主と製造業者の関係性

OEMでは、発注者が企画・設計・ブランディング・販売戦略を担当し、製造業者が製造技術・品質管理・生産管理を担います。この役割分担により、双方の強みに集中できる体制が構築されます。

成功の鍵は情報共有と連携です。発注者がニーズや品質要求を明確に伝え、製造業者が技術的課題への提案を行うことで、品質改善やコスト最適化が進みます。長期的な信頼関係によって、継続的改善と安定的な受注基盤も構築できます。

OEMに関わる主な契約形態

  • 製造委託契約: 発注者が仕様を決定し、製造業者に製造を委託。品質責任や知財権保護の明確化が重要。
  • 供給契約: 製造業者が技術や設備を活用して商品を供給。技術力やノウハウが評価ポイント。
  • 技術ライセンス契約: 発注者の技術を製造業者にライセンスし、製造を委託。最小発注量や品質基準、納期、価格、秘密保持、知財の取り扱いを事前に定めることが成功の鍵。

OEM製造の基本的な流れ

企画・商品設計のステップ

商品企画では市場調査・競合分析からコンセプトを策定し、ターゲット、価格帯、機能・デザイン要件を定義します。仕様書に技術・品質基準を整理。初期相談で実現可能性やコスト、納期を製造業者とすり合わせ、設計の最適化とコスト削減を図ります。

試作・サンプルの確認と調整

試作品を評価し、機能・耐久性・安全性・外観品質を検証。課題解決と改善を複数回実施し、最終サンプル承認後に量産準備へ移ります。

製造・検品・納品までの流れ

量産前に製造条件や生産計画を確定し、原材料調達、設備準備、作業員教育を行います。製造後は品質管理基準に沿った検品を実施し、不良品を排除。外観・機能・安全性検査を経て梱包され、納品と書類(品質証明書等)を提出。納品後は品質トラブル対応体制も整備します。

OEMのメリットと注意点

コスト削減やブランド強化の利点

設備・人材への投資を変動費化し、専門企業との協業で高品質を実現。ラインナップ拡充や迅速な市場投入が可能になり、ブランド力の向上にもつながります。

品質管理や契約トラブルへの注意

外注先の品質管理体制が不足すると、納期遅延や品質問題が発生するリスクがあります。品質監査の定期実施、情報共有強化が必要です。契約では知財取扱い、責任範囲、価格変更条件、納期不履行対応などを明確化し、製造優先権の取り決めも行い、可能なら複数取引先を構築すると安心です。

OEMに向いているビジネスとは?

小ロットやオリジナル商品を作りたい場合

小ロット生産やテスト販売を視野に入れる際は、OEMが有効です。設備投資不要で、製造業者の設備と技術を利用して高効率な製造が可能です。アイデアやデザインを具現化し、技術的な課題を協業で解決し、市場価値の高い商品開発につなげられます。

商品開発リソースが限られる企業

中小・スタートアップ企業は、製造設備投資リスクを回避しながらOEMで事業展開できます。限られた資源を企画・マーケティングに集中し、専門技術を活用して技術課題をクリア。事業拡大に応じてOEMから自社製造への移行も可能です。

まとめ|OEMを活用して効率的な商品展開を

OEMの仕組みを正しく理解しよう

OEMは、発注者と製造業者がお互いの強みを活かし、共に商品をつくり上げる体制で、コスト削減・品質向上・リードタイム短縮など多数のメリットが得られます。一方で、品質管理や契約整備など課題もあるため、適切な体制構築が重要です。

信頼できるパートナー選びが成功の鍵

技術力、品質管理能力、生産能力、コミュニケーション力を多角的に評価し、企業文化や価値観の合致も重視すべきです。複数候補との関係構築でリスク分散と競争原理も確保し、戦略的にOEMを活用すれば効率的な商品展開と事業成長が可能となります。

TKオーガニック株式会社では、様々な製品の企画開発・OEM・ODMを行なっております
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投稿者プロフィール
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群馬県高崎市にある受託製造を手掛ける企業。
様々なOEM・ODMを企画段階から一気通貫でサポート。

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